Life as Kamino Rui

MtFの私「神野留衣」と、私の現実世界での姿「僕」の二人の日常生活

春よ来い

石の上にも三年。

私が初めて自分の外側に私の存在を打ち明けたのは、三年前。
2011年3月17日。
それが、私の誕生日。

17日。
特別な日だ。
私の、僕の誕生日でもある。
私が大切に思う人、憧れる人の誕生日でもある。
そして、7番目の素数

人なんていつ生まれても同じだと思う。
だから誕生日なんて無意味だ。
私もそう思う。
だけど、私は17日が大好きだ。

次の17日を迎える時には、
私が私になっている。

来年度から。
あと残り一年ですが。
私は私として、今通っている高校へ通うことになります。
制服を変えて。

喜びというよりも、これからが本当の戦いだと思っています。
精神的に不安定な母親とどう生きてゆくのか。
いつまでも不完全な自分とどう折り合いをつけるか。
同級生たちはどう反応するか。
そしてその人々の声をどうやって拾うか。

診断書が出たから、学校は動いてくれた。
だけど、そんな紙切れで世界は変わらない。
変えるのは私だし、私も変わってゆく。

ひとまず、今は。
嵐の前の静けさ。

わからないことがあるなら、実験してみればいい。
少しくらいの怪我ならば、
どんな科学者もしているはず。

でも、それで他人を傷つけてはいけない。
忘れがちなことだけど。