Life as Kamino Rui

MtFの私「神野留衣」と、私の現実世界での姿「僕」の二人の日常生活

学校と私

数日空いてしまいましたが、こんばんわ。神野留衣です。

突然ですが、良いことがありました。
それは…

「学校は『私』のことを知っていた」

ということが判明したことです。

え?超能力者の先生でもいるの?と思われてしまいそうなので(いないとは断言できませんが(笑))、少し説明しましょう。

先の投稿で書いたように、私はすでに中学校の時、担任の先生に「私」のことを打ち明けました。
もうすでにこの時点でお分かりだとは思いますが、私はずっと、この話が高校に伝わることはないだろうと考えていました。
だって…普通、そんなことを進学先の学校に教えたくないですよね…。

しかし。
実際は伝わっていたわけです。それはなぜか。

それは…中学校と高校は、同じ大学の附属校だからです。

なんだ、そうなら伝わるのも納得だ、と思われる方も多いでしょうが、自分はずっとその可能性を否定し続けてきました。
なぜなら、中学校の先生はいつも、同じ附属の高校だからと言っても、違う学校だということをいつも強調して話していたからです。

それでも…実は伝わっていた。
中学校と高校の先生方で、生徒の情報交換を行っていたそうです。
そしてなんと、唯一「私」のことを知っている同級生の名前まで把握していたのです。

すごい、すごすぎる…。
さすがだと思いました。
私はずっと、自分の学校が大好きだし、先生も生徒もだれもが、本当に素晴らしい人々ばかりで、もし全員に打ち明けることになっても、きっと受け入れてくれるだろうと考えてきました。
それでも、現実は甘くないんだ、って考えが頭の中を支配して、いつもマイナス思考ばかり。

当然、現実ではそんなにうまくいかないと思います。
これからはそのほうが多くなるはず。
でも、少し目の前が明るくなりました。
先生方は知っていたんだ、と分かって。

私がなぜ、先生が「私」のことを知っているとわかったのかというと、それは今週末の病院に行くために、早退しなくてはならなくて、担任の先生にサインをもらわなければいけなかったのですが、その時に何のために病院へ行くのかと聞かれて、答えられなかったので、後で話そう、と言われ、そのあと先生と一対一で話していたからです。

高校に入ってからずっと、「いつ話せばいいのか」と考えていた私ですが、思わぬところで、すでに伝わっていたことが判明して、本当にうれしかったです。
実際、早退の理由が言えなくて、後で話そうと言われた後は、理由を正直に言うべきか、言わないべきか、いや言わなきゃいけない、でも…と、足が震えていたのを思い出します。

 

で、さまざまなことを担任の先生と話したわけですが、やはり高校の間に「変わる」のは、難しいようですね…。
(変わるというのは語弊があるけれど、とりあえず今の状況を原点に考えるとこの言葉が今は適切。)
(そして変わるというのは、身体のことはさておき、学校で女子として生活できるようになること。)
それでも、どうしても辛いことがあったら、それぞれ対応はしてくれるとのことです。
うん…でも自分は、伝えられた、打ち明けられただけでも、今は良かったと思っています。

自分は正直言って、あまり「嫌だ」と思うことはないのです。
(もしかすると、「嫌だ」と思う回路自体を遮断しているのかもしれないですけれど。)
だから、物理的には我慢できるというか、まあ、許せます。しょうがないですもん。それがルールだから。
でもやっぱりどうしても、思考の25%以上をいつも占めるのは、「なんで私じゃないんだろう」という感情です。
「私」を否定する要素は身の回りにあふれています。
定期券の表面を見れば、性別の文字が。
学校の名簿を見れば、自分は前半の出席番号であることが。
鏡を見れば、「僕」が着ているのは男子の制服であるとか。
友人の親が、「成長したね、男になったね」と「褒める」ことが。

私は本当に、申し訳ないと思うのです。
周りの人が自分のことを「僕」として見て、「僕」のために何かをしてくれたり、言ってくれたり。
それが本心からであればあるほど、私は苦しいです。
そうして、相手を傷つけたくないから、よろこんでいるふりをする。
でも、周囲の人にはそれでもいいけれど、母親にはこれ以上「嘘」をつきたくなかった。
でもそれは、母親にとっては難しいことだった。
なぜなら、母親にとっては、自分は「僕」であったわけですから。

最近、と言っても昨日と今日ですが、唯一私を知る同級生と一緒に、学校へ行きました。
いろいろなことを話しながら歩く間、二人とも同じことを考えていました。

「他の人から私たちを見たら、『えっ?』って思うよね」

同じ学校の違う制服を着て歩く男子と女子…まあ、説明は不要でしょう。
自分は内心、泣きそうでした。

「みんな誤解しないでよ!」

って、心の中で叫んでいました。

そうして、もう学校の敷地に入るころになって、私は言いました。

「もし自分が変われたら(女子だったら)、こんな風に思われないのにね。」

そうしたら、彼女はこう答えました。

「そうだね、私も同じこと思った。」

やっぱり、理解してくれる友達にしか、本当の想いは伝えられない。
ということで、難しいけれど、どうにかして、変わろう。高校の間に。
そう心に再び誓った私でした。